1兆円を超えるファンド
モーニングスターの2021年4月30日の記事で、「4年ぶりに再来した1兆円ファンドは毎月分配型にあらず、「資産形成」でも投資を使う新時代が到来」というものがありました。
内容をざっくりまとめると、
1.2021年3月末現在の追加型株式投信は4,379本あり、残高が1,000億円以上のファンドが111本ある
2.現在残高が1兆円を超えるファンドは「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド」の1本のみ
3.資産形成や資産活用に投資信託を使う時代が始まっているのかもしれない
というものです。
内容の詳細は同記事を読んでいただくとして、これらについて私が思うところについて述べていきたいと思います。
1.2021年3月末現在の追加型株式投信は4,379本あり残高が1,000億円以上のファンドが111本ある
そもそも株式投信が4,379本もあることが驚きです。
この中で、本当に長期の資産形成に役立つものは50本もないでしょう。
毎年多くの投資信託が設定されますが、長年にわたって残り続けるファンドはその一部でしかありません。
長期投資が前提ならば、流行り廃りのあるものに投資する投資信託ではなく、伝統的なインデックスファンドを選んで投資するのが賢い選択です。
2.現在、残高が1兆円を超えるファンドは「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド」の1本のみ
同ファンドはアセットマネジメントOneが運用するもので、2021年4月30日現在の残高は1兆963億円にもなっています。
今流行りのESG評価の高い企業の株式に投資する、テーマ型のアクティブファンドです。
販売会社はみずほ銀行、みずほ証券、みずほ信託銀行となっており、ネット証券では取り扱っていません。
インデックス投資家にとって驚きなのはその手数料の高さです。
みずほ銀行で購入すると、購入時手数料が3.3%もかかります。
そのうえ信託報酬も1.848%という高額となっています。
テーマ型のアクティブファンドなので、高い手数料となるのは仕方がないのかもしれません。
しかし、購入時手数料が無料で、信託報酬が0.1144%のeMAXIS Slim全世界株式ファンドと比べると、購入した年には5.0336%も手数料によるハンデを負うことになります。
仮に、手数料の安いeMAXIS Slim全世界株式で500万円を10年間運用し、リターンが5%だったとすれば資産額は806万円になります。
一方、同じ条件でこのアクティブファンドに投資した場合、10年後の資産額は660万円です。
その差は歴然ですね。
3.資産形成や資産活用に投資信託を使う時代が始まっているのかもしれない
投資信託で資産形成をしようとしている方が増えているのにもかかわらず、投資の入り口の知識が高い方はまだまだ少数派のようです。
手数料の数パーセントの差が長期的には大きな違いとなってくることや、アクティブファンドの多くがインデックスファンドの成績に負けるという事実が常識となるのはまだ先のようです。
販売側もビジネスですから、利益率の高い商品を勧めることは理解できます。
ですから、私たち投資家が金融リテラシーを自ら高めていかなければならないのです。
まとめ
貯蓄から投資へお金が回るという傾向は、日本経済にとって良いことです。
しかし金融リテラシーを高めてから投資を始めないと、高くつく可能性があります。
「自分のお金を守れるのは自分だけ」ということを常に覚えておきたいものです。
今日も良い一日です。ありがとうございます。
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