リタイア後の暴落の影響
今回はFIRE(経済的自由の達成)した後の暴落の影響について考えていきましょう。
一般的に、生活費の25倍の資産を形成すれば、FIRE(経済的自由の達成)できると言われています。
たとえば、生活費が月25万円、年間で300万円とすると、7,500万円の資産を形成した段階でアガリとなります。
そして、FIRE後には、いわゆる4%ルールに従ってこの資産を取り崩すしていくことになります。
定額法と定率法
4%ルールにも定率の取り崩しと、定額の取り崩しの2つの方法があります。
定率法は、年初の資産額の4%を取り崩していく方法です。
年初の資産額が7,500万円であれば、その4%である300万円を取り崩します。
もし、年初の資産額が6,500万円に下がっていれば、その4%である260万円を取り崩します。
定率法は、年初の資産額の増減に応じて取り崩せる額が変わるので 、資産をすべて使い切ってしまうという心配が少ないというメリットがあります。
しかし、株式相場の暴落などで資産額が大きく減少した場合には、定率法で取り崩した額では、生活費を全てまかなうことができないというデメリットもあります。
一方、定額法はFIREをした時点での資産額の4%を毎年決まって取り崩していく方法です。
7,500万円の資産を形成してFIREしたのならば、毎年300万円ずつ資産から取りくずしていくことになります。
この場合、毎年決まった額を生活費に使えるので、生活の計画は立てやすいというメリットがあります。
しかし、株式相場の暴落などで資産額が大きく減少した場合にも、定額で取りくすため、資産額の目減りが大きくなる傾向があるというデメリットがあります。
暴落の影響
トリニティ大学の研究では、ポートフォリオの4%の資産で1年間の生活費をまかなえれば、貯蓄が30年以上持続する確率が95%とされています。
そこで、4%ルールの定額法で計画していた場合に、暴落がどのような影響を与えるのか、具体的な数字を見ていきましょう。
前提は、
② 生活費300万円
③ 現金50% 株式50%
④ 運用リターンは年率5%
⑤ 暴落時は40%下落
⑥ 暴落までは毎年、現金150万円 株式150万円を取りくずす。
⑦ 暴落後は現金を優先に取りくずす。
とします。
そして、暴落時に運用資産額が40%下落するものと仮定します。
まず、リタイアした最初の年に暴落が来た場合、33年目に資産はマイナスになります。
次に、5年後に暴落が来た場合、33年目にマイナスになります。
そして、10年後に暴落が来た場合、34年目にマイナスになります。
たしかに、暴落が来ても30年以上資産は持続しました。

リタイアした時の年齢にもよりますが、高齢になれば年金収入もあるので、資産寿命はさらに延びます。
ただし、年金の支給開始年齢は繰り下げられることがほぼ確実なので、年金の支給開始年齢は70歳ぐらいで見ておいた方が良いでしょう。
安全マージンを確保する
それでは、4%ルールの定額法で安全なマージンを取る方法はあるのでしょうか。
もちろんあります。
それは完全にリタイアするのではなく、少なくても労働収入を得ていくことです。
上記と同じ前提で、リタイア後も月5万円の労働収入を15年間得た場合で考えてみましょう。
そうすると、リタイア初年度に暴落が来ても、資産寿命は41年目まで伸びます。
つまり、少しでも労働収入があれば、暴落に対する安全マージンは増え、資産寿命が延びるのです
元来、人間は誰かの役に立ちたいと言う欲求があると言われています。
労働で得るものはお金だけではありません。
労働収入と同時に社会的なつながりも得ることができます。
リタイアした後、やりたいことが多すぎて時間がないのであれば、働かないという選択肢も取り得ます。
しかし、時間を持て余すぐらいであれば、適度な労働も悪くはないと思います。
経済的自由を達成からの適度な労働は、安全マージンを増やして資産寿命を伸ばせるだけではありません。
労働を通して社会的なつながりも維持できます。
FIREを目指す方は、FIRE後の労働収入についても考えておくべきでしょう。
・リタイアした後に暴落が来ても、30年以上は資産が持続する。
・安全なマージンを取る方法は適度に労働すること。
今日も良い一日です。ありがとうございます
コメント