長期積み立て投資で覚えておくべき3つのこと
モーニングスターのホームページに、長期分散投資に関する記事が出ていました(2021年4月16日付)。
内容をまとめると
1.投資信託を使って長期積み立て投資をしても必ずプラスになるとは限らない
2.長期積み立て投資には、ゴールする時に価格が上昇していることが期待される資産を選ぶ
3.世界全体の株式市場に幅広く分散投資する投資信託がふさわしい
ということです。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1. 投資信託を使って長期積み立て投資をしても必ずプラスになるとは限らない
同記事では具体的な事例として、野村アセットマネジメントが設定・運用している「積立て株式ファンド」に、1992年1月末から2021年3月末まで351ヶ月間(29年3ヶ月)にわたって毎月投資した結果を紹介しています。
このファンドは設定日が1968年12月25日とかなり古く、50年以上の運用実績があります。
日経平均に連動するインデックスファンドですが、さすがに昔のファンドなので、購入時手数料が2.2%以内、信託報酬は年0.792%(2021年2月25日現在)となっており、ここ数年で設定されたインデックスファンドと比べると高コストです。
ではこのファンドに1992年1月から毎月1万円投資した場合、20年後の2011年12月時点ではどうなっていたでしょう。
実は積み立てた投資元本240万円に対し、解約受取額はたったの158万円になっていました。
しかし、さらに積立を継続して2021年3月まで29年3ヶ月間継続していたら、投資元本が351万円であるのに対し、受取額は813万円と、元本の2.31倍になりました。
20年で投資をやめると-34%、29年3ヶ月まで続けると+231%という結果です。
長期積み立て投資が必ずプラスになるとは言えないひとつの事例と言えます。
2. 長期積み立て投資には、ゴールする時に価格が上昇していることが期待される資産を選ぶ
1の事例は、バブル崩壊後の失われた20年が強く影響している日本株に投資した場合のものでした。
1992年1月末の日経平均は2万2023円でしたので、2021年3月末の日経平均29178円と比べると1.325倍になっています。
一方、米国のS & P 500を見てみると、1992年1月末は408.78であったのに対し、2021年3月末は3972.89にもなっています。
実に9.72倍です。
20年で運用をやめた場合でも、2011年11月末のS&P500は1257.60ですから、それでも3.08倍です。
ゴールする時に上昇していることが期待されている資産に投資することが、いかに重要であるかが分かります。
3.世界全体の株式市場に幅広く分散投資する投資信託がふさわしい
前の項目では絶好調な米国株と不況が続いた日本株の比較をしました。
たしかに、この30年は米国株に投資しておくのが最善の方法でした。
実際、全世界に分散投資しようとしても、全世界株式型のインデックスの50%以上は米国株で占められています。
しかしこの先も米国株優位が続くかどうかは分かりません 。
全世界株式型のインデックスに連動するファンドに投資しておけば、もし米国経済が衰退しても、自動的に好調な国への配分を増やしてくれます。
どの国が長期積み立て投資に値するのかを見極める必要がないのです。
まとめ
日本株はオワコン、新興国は投資家保護が不十分、といった意見もあります。
しかし私は、どこかの国の株式を選ぶのではなく、世界全体の経済の成長に期待して、長期積み立て投資を継続していきたいと思っています。
今日も良い一日です。ありがとうございます。
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