ゼネラリストとスペシャリストって何ですか?
ゼネラリストとスペシャリストという言葉を聞いたことがありますか?
ゼネラリストとは、分野を限定しない広範囲の知識・経験・技術を持つ人のことを言います。
例えば総務や人事などです。
スペシャリストとは、特定の分野に深い知識・経験・技術を持つ人のことを言います。
例えば経理・法務・エンジニア・デザイナーなどです。
これまでの日本企業では、社員を総合職として採用することが多く行われてきました。
終身雇用で一括採用した人材を、様々な部門を経験する人事ローテーションに組み込み、いわゆるゼネラリストとしてキャリアアップすることが一般的でした。
ですから、スペシャリストはごく限られた人材がなるもので、自分には関係ないという考えの方も多いのではないでしょうか。
しかし、終身雇用が崩壊しつつあることで、これまでのようなゼネラリスト養成が難しくなってきています。
また、 ITやAIが高度になってきていることから、これらを使いこなせる人材(スペシャリスト)が多くの会社で必要となってきています。
反対に、ITやAIが取って代われる人材は今後は不要となります。
機械に任せておけば、労務管理も給料の支払いもしなくてよいからです。
採用についても、今後はジョブディスクリプションという職務記述書を提示して、必要な能力、仕事の内容と責任をはっきりさせる会社が多くなってきます。
これに伴い、人事評価も成果や専門性で行われることになります。
厚生労働省による平成27年転職者実態調査でも、「管理的な仕事」及び「専門的・技術的な仕事」では転職者の採用理由として、
「専門知識・能力があるから」がそれぞれ43.0%、55.0%となっています。


(厚生労働省 平成27年転職者実態調査 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/6-18c-h27-1-02.pdf )
しかし、全くゼネラリストが不要というわけではありません。
社内の調整役ができる人はこれからも必要なので、複数の分野を得意とするゼネラリストであれば需要はあります。
つまり、真のゼネラリストは会社に残れるが、なんちゃってゼネラリスト(誰でもできる仕事をしている人)は減っていくといえます。
コロナ禍で多くの会社の業績の悪化が進む中、これといった仕事ができない人材は会社にとって負担でしかありません。
会社で何もしていない、ぶら下がりおじさんが絶滅するのも時間の問題でしょう。
スペシャリストのメリットとデメリット
今後も、スペシャリストの方が労働市場で有利になる流れは変わらないと考えられます。
では、スペシャリストになった場合のメリットとデメリットはどういうものがあるでしょう。
② 即戦力として活躍できる。→ 高い給料も得られやすい。
③ 専門性を深められる。→転職にも有利であり、転職で収入アップも期待できる。
④ 転勤や配置転換の可能性が少ない。→人生設計が会社の都合で変えられにくい。
⑤ 今後採用が進んでいく同一労働同一賃金制度の恩恵を受けやすい。→働き方が柔軟に選べる。
② 特定部門のことしかわからないので、社内の調整役としては働きづらい。→会社によっては出世(ポジションのアップ)に限度がある。
しかし、その場合でも専門性を武器にして転職が可能である。
③ 常に専門性を向上させなければならない。→知識や技術が不足すれば、即不要な人材になる。
厳しい時代で生き抜く
多くの会社で総合職として採用され、人事ローテーションに乗っていてもゼネラリストになりきれない人が多いのが現状です。
なかでも、簡単に代わりのきく仕事や外部に委託できる仕事しかできない人は、危機感をもたなければなりません。
コロナ禍で今後数年は不況のため、給料の原資も限られてきます。
つまり、スペシャリストに高い給料を支払うために、なんちゃってゼネラリストには安い給料を支払うか、リストラするかという選択を迫られる会社が増えることが予想されます。
一方、スペシャリストであっても安心はできません。
自分の専門分野が必要でなくなる可能性も踏まえ、できれば複数の専門性を備えていた方が良いでしょう。
用済みになったスペシャリストは、他部門での使い道がありません。
スペシャリストも自己研鑽を怠ると、リストラされることになります。
いずれにしても、会社にしがみついていればなんとかなる時代ではなくなりつつあります。
スペシャリストにならなくても、自分の能力を高めて転職に備えたり、複数の収入を確保してゆく行動が今後ますます重要になってくるでしょう。
・真のゼネラリストは会社に残れるが、そうでないゼネラリストは減っていく傾向にある。
・スペシャリストであっても自分の専門分野が不要となる可能性も踏まえ、複数の専門性を備えていた方が良い。
・自分の能力の向上や、複数の収入を確保する行動が重要になってくる。
今日も良い一日です。 ありがとうございます。
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