誰も教えてくれない年金積立金

年金

年金積立金管理運用独立行政法人とは

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)って聞いたことがありますか?

年金積立金管理運用独立行政法人とは、私たちの年金積立金の管理と運用を行っている組織です。

令和元年度収支決算によれば、その積立金の総額は、時価では166兆4,845億円(帳簿価格では119兆9,867億円)となっています。

これを聞くと、私たちが支払っている年金保険料が毎月積み立てられ、それが私たちの老後の年金になっていると思われがちです。

しかし実際は、私たちが納めた年金保険料のほとんどが、現在の高齢者世代に支払われ、ごく一部だけが積み立てられているのです。

令和元年度決算で見ると、厚生年金では、歳入が48兆1,934億円で、歳出は47兆8,618億円となっており、この差の3,315億円が積み立てられています。

一方、国民年金では、歳入は3兆7,616億円で、歳出は3兆5,984億円となっており、この差の1,631億円が積み立てられていました。

(厚生年金・国民年金の令和元年度収支決算の概要https://www.mhlw.go.jp/content/12501000/000536909.pdf

数字が大きすぎてわかりづらいですが、厚生年金と国民年金の歳入の合計額の99%強は年度内に支払われ、1%弱が積み立てられている状況です。

例えてみれば、20,000円の年金用の資金を準備しても、そのうち19,800円が支払われ、200円が積み立てられているということです。

現役世代の年金保険料は高齢者世代への仕送り

このように、現役世代が納める保険料で、高齢者世代に年金を給付していることを賦課方式と言います。

つまり右から左へ流しているのです。

言ってみれば、私たち世代から、親やおじいちゃんおばあちゃん世代への仕送りみたいなものです。

では、私たち現役世代が将来受け取る年金はどうするのでしょうか。

それは、私たちの子供や孫達の世代が収める保険料でまかなわれることになっています。

しかし、このまま少子高齢化が進むと、高齢者世代に給付する年金が、現役世代からの保険料だけでは足りなくなってしまいます。

そのため、年金積立金でその不足分を補う仕組みになっています。

現在はこの積立金の元本は取り崩さず、運用収入を年金給付の一部としています。そして、将来の一定期間の間は、運用収入だけでなく積立金も取り崩して、100年後に年金給付の1年分程度の積立金が残るように計画されています。

この計画に基づいて、積立金は、国内株式、外国株式、国内債券、外国債券に配分して分散投資し、長期的な視点で運用されています。

以前は国内債券での安定運用がメインでしたが、徐々にリスクを取るようになり、2020年4月からはこれらの4資産に25%ずつ配分されるようになりました。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)2020年第2四半期の運用成績

今回公表された年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2020年7~9月の運用成績は、+3.05%で収益額は+4兆9,237億円でした。

これにより運用総額は167兆5,358億円となり、保険料収入や国庫支出が全く無くても、おおむね3年分の年金がまかなえます。

出典:GPIF HP

(年金積立金管理運用独立行政法人の2020年の運用状況 https://www.gpif.go.jp/operation/the-latest-results.html

よくマスコミは、ある四半期の年金積立金管理運用独立行政法人の収益がマイナスとなると、「私たちの年金が何兆円消えた!」などと大きく報道しますが、プラスの収益のときにはほとんど報道しません。

マスコミの報道姿勢には、かなり偏りがあると言わざるをえません。

そもそも、長期的な視点で運用している年金積立金を、3ヶ月間の運用成績が悪かったことで大騒ぎすること自体が間違いなのです。

出典:GPIF HP

2020年第2四半期の年金積立金の運用資産の構成割合を見てみると、基本配分に沿って運用されていることがわかります。

年金積立金管理運用独立行政法人の担当者は、株価の動向の左右されることなく、淡々とポートフォリオを維持していることがわかりますね。

出典:GPIF

今後、年金積立金の運用成績の報道があった場合には、これらのことを思い出して、マスコミの報道を客観的な視点で見てみましょう。

まとめ
・厚生年金と国民年金の歳入の合計額の99%強は年度内に支払われ、1%弱が積み立てられている。
・現役世代が納める保険料で、高齢者世代に年金を給付している。
・積立金は、国内株式、外国株式、国内債券、外国債券に配分して分散投資し、長期的な視点で運用されている。
・マスコミは年金積立金管理運用独立行政法人の3か月の運用成績で、損失が出たときには大きく報道する。

今日も良い一日です。ありがとうございます。



コメント

タイトルとURLをコピーしました