「マネーの公理」をインデックス投資家の視点で読む

書評



スイスの投機家による名著

著者はスイスで大成功した銀行家の父を持ち、自身も株式マーケットで財を成した投機家です。

スイス人と聞くと、みな堅実に銀行預金しているものと勝手に考えていましたが、実は投機も盛んなようです。

本書は12の公理という形で、投機家への著者の経験に基づくアドバイスをまとめています。

そのなかで興味深かったところに触れていきます。

強欲について

著者は投機をすすめているので、投下した資金が利益を生んだ時には「常に早すぎるほど早く利食え」 と言っています。

「もっと高くなるかも」と売却せずにいると、手に入れられたはずの利益も逃してしまうと、強欲を戒めています。

しかし、相場のタイミングを読まないインデックス投資家であれば、含み益が大きくなっても資金が必要になるまで売却は不要です。

もっとも、インデックス投資家にとっても強欲は敵です

上昇相場に気を良くして投資額をギリギリまで高めたり、リバランスをためらったりすれば、下落相場で一気に崖下に叩き落とされることになります。

インデックス投資家も、自分が強欲になっていないか時折見つめ直すことが必要です。

損失について

投機の場合、予想が外れて損失が出始めたら、素早い損切りが不可欠です。

「小さな損失は人生の現実として甘んじて受けよ。大きな利益を待つ間には、何度かそういう経験をすると考えろ。」と著者は言います。

ここでインデックス投資家が学ぶべきことは、損失を受け入れるということです。

インデックス投資は長期投資が前提なので、ほとんどの場合、損失とは含み損のことです。

著者は「船が沈み始めたら祈るな。飛び込め。」と言っています。

しかし、投機家と違い、下落相場に転じても、インデックス投資家は飛び降りてはいけません

なぜなら、インデックス投資家が乗っているのは、過去に何度も海面下に沈んだが、必ず浮かび上がってくる船だからです。

楽観と悲観について

楽観主義は投機家の敵と著者は言います。

楽観は投機家の判断を曇らせるからです。

一方、インデックス投資家には、楽観も悲観も不要です。

それよりも、できるだけ平穏な心が必要なのです。

著者は言います。

「お金を投資する前には、物事が悪い方向に進んだ場合に、自分をどう救うのかを自問すべきだ。それが分かっているなら、楽観よりも良い何かを持っていることになる。あなたは自信を持っている。」

インデックス投資家も、あらかじめ株式相場が下落し、含み損を抱えた場合に備えて、気持ちの対処法を考えておくべきです

長期投資について

投機家である著者は長期投資に対して否定的です。

10年、20年先のことなど予想もつかないと言います。

たしかに、株式投資は歴史的には高いリターンをもたらしてきました。

しかし、この先も株式が高いリターンをもたらすかどうかは誰にも分かりません。

ただ、世界中の人々が、今日よりよい明日を望むことを私たちは知っています。

それゆえ、インデックス投資家は、世界の経済が今後も成長していくことを信じて投資しているのです。

まとめ

本書は投機を前提として書かれたものです。

ですから、インデックス投資に当てはまらないこともあります。

しかし、投機と長期投資の違いを意識しながら読めば、学ぶべきこともたくさん書かれています。

多くの投資家が評価している本ですので、機会があればご一読をおすすめします。

今日も良い一日です。ありがとうございます。

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