賃貸派は少数派
今回は金融広報中央委員会が発表している 「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯)2020」の調査結果から、マイホーム購入について考えてみます。
( https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/futari/2020/ )
同調査によれば日本の持ち家率は75%ということです。
年代別にみると、20代は8.0%であるのに対し、60代では83.4%となり、年齢が高くなるほど持ち家率は上がります。
私の属する50代は持ち家率が74.7%であり、4世帯に3世帯はマイホームを持っています。
つまり賃貸派の私は少数派になります。

収入別で見ると、年収300~500万円未満の世帯の持ち家率が73.9%であるのに対し、年収1,200万円以上の世帯では持ち家率が89.1%となり、年収が上がるにつれて持ち家率も上がっていることがわかります。
しかしその一方、年収1,000万円以上の世帯でも、9.4%は賃貸派です。
マイホーム購入の意欲
次に非持ち家世帯のマイホーム取得予定について見てみましょう。
10年以内にマイホームの取得を予定している世帯は20代で60.9%、30代で54.8%となっており、若い非持ち家世帯の半数以上はマイホームの購入を考えています。
一方、マイホームを購入しない、またはその予定がないと回答した世帯は、20代では21.7%であるのに対し、50代では57.9%となっています。
50代の非持ち家世帯の約6割が、「いまさらマイホームなんて」と考えているのでしょう。
興味深いのは、年収1,000万円以上の非持ち家世帯のうち44.4%がマイホームの取得を考えていないということです。
年収が高くても、あえて賃貸を選ぶというライフスタイルもあるわけです。
持ち家派の借入額
では持ち家派はどれぐらいの住宅ローンを抱えているのでしょうか。
年収300~500万円未満の世帯では、なんと手取り収入の5.17~8.47倍もの住宅ローンを抱えています。
より高額の物件を購入する年収1,000万円以上の世帯が、手取り年収の2.17~3.5倍に抑えていることと比べると、かなり住宅ローンの負担が重くなっています。
同調査でさらに驚くことは、持ち家派の世帯のうち13.3%が金融資産を保有しておらず、10.5%の世帯では預金残高がゼロという結果です。
マイホーム所有者のうち10世帯に1世帯は、家はあるが預金がないというかなりリスキーな選択をしているのです。
マイホームを持ってはいるものの
手取り年収の5~8.5倍の住宅ローンを組んだり、少数ではあるものの、マイホームは持っているが預金はゼロというのは、私には信じられないリスクの取り方です。
なぜなら病気・不況・リストラなどで収入が減ると、すぐに住宅ローンの支払いができなくなってしまうからです。
また突然の出費があれば、高利のカードローンやリボ払いに走らざるを得ない危うさを持っています。
今買うことが良いですか
そもそもマイホームを買ってしまうと、ライフステージの変化に柔軟に対応できません。
子供と一緒に過ごすマイホーム生活を夢見るのかもしれません。
しかし子供と同居するのは20数年くらいです。
3LDK、4LDKという広さが必要なのも同じくらいの期間です。
夫婦2人だけになった時には広すぎるマイホームです。
また転職をしようとしても、マイホームや住宅ローンが理由で選択の範囲が狭められます。
ですから、みんながマイホームを買うから自分も買うというのは考えものです。
人口減少の続く日本では、必死に住宅ローンを返済しても、残ったのは大幅に価値の下落したマイホームだけということも十分あり得ます。
マイホームを持つことが本当に必要なのか?
自分自身の状況をよく見極めてから購入しても遅くはありません。
今日も良い一日です。ありがとうございます。
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