「年収100万円の豊かな節約生活術」/山崎寿人(文藝春秋刊)を読みました

書評



プータローというより料理職人

著者は東京大学経済学部を卒業後、メーカーの広報部に3年間勤務し、30歳で退職して以来20年間定職に就くことなく生活している方です。

著者は自分をプータローと言っているので、ひきこもり生活をしているのかと思いきや、全く違っていました。

安い食材で作る「あの名店」の料理の研究発表の場として、月一回たくさんの友人を自宅に呼んでホームパーティーをしたり、著者の料理のリピーターとなった友人が居酒屋やレストラン代わりに訪ねてきたり、近所で主婦をしている女友達が子供や友人を連れてお茶をしにきたりと、私より社交的で楽しそうな友達付き合いをしていてとても羨ましいです。

筆者の人間的魅力がとても高く、みんなを引き寄せるのだと思います。

食費、光熱費、交際費などの変動費が月3万円と言うことだけで凄いのですが、1日あたりの食費が約500円と言う制約の中で、筆者は様々な工夫を重ねつつ、食生活を謳歌していることがとっても驚きでした。

著者は有名店並みのメニューを安く作るべく、少しでも安い食材を手に入れるために、周辺のお店のチラシを全てチェックして、スクーターを使ってあちこちの店で安い食材を買い集めるなどの努力を日々しています。

そして、調味料を買い揃えたり、精米機、ヨーグルトメーカー、ホームベーカリー、業務用コンロ、家庭用ピザ石窯など、高価ではないが自分に必要な機能が揃っている家電や調理器具などを安く購入し、日々研究しながら料理を楽しんでいます。

この本には著者による様々なレシピや料理の数々が原価と並んでカラー写真とともに掲載されていますが、どれも美味しそうで食べてみたくなるものばかりです。

プータローというより自宅料理職人です。

節約生活はわびしい食生活とセットだ、と思っていた私の考えをこの本は覆しました

また、同じ材料のものを食べ続けて食生活のバランスが悪くなるのを避けるため、基本的に作り置きや買い置きはせず材料は使い切る、と言う著者の姿勢は、昨今のフードロスの問題を考えれば、節約の観点からだけではなく地球環境のためにも、私たちは見習うべきだと思います。

幸福を追求するゲーム

もちろん、著者は食事以外の面でも節約を心がけており、同じものを割高に買う事は、その分だけタダ働きしたことになるという考えには全く同意します。

私たちは自分の有限な時間を労働に費やし、お金に換えて生きているのです。

割高なものを月1000~2000円分買えば、バイトやパートで1~2時間労働した分がタダ働きになるのと同じです。

実店舗での買い物だけではなく、著者のネットショッピングでの買い物の仕方についても参考になります。

もちろん著者は定職についていないため、毎日十分な時間があるからネットショッピングでのリサーチに多大な時間をかけることができるのですが、その方法一部でも私たちが取り入れてみることは、賢い消費者となるためにとても重要だと思います。

著者は自分の生活を「月3万円と言う制約の中で、いかに幸福になれるか追求するゲーム」だと述べています。

お金がないから寂しく慎ましくではなく、知恵と工夫でいかに幸福な生活ができるかを追求しているところに感銘を受けました。

また著者は、

生きていくためには知恵を絞らなければならない。その過程で「人は生きるために必要なものはそれほどたくさんはないし、知恵と考え方次第で人生いくらでも楽しめるものだ」と言うことを知った事は、皆さんにお話しできるささやかな収穫かもしれない。

「年収100万円の豊かな節約生活術」

と言っていますがこの本を読んだ私にはとても大きな収穫だったと思います。

今日も良い一日です。ありがとうございます。



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