おひとりさまの老後資金はいくら必要か
近年、結婚しない、いわゆる「おひとりさま」という生き方を選択する方が増えています。
2018年の国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、男性の4人に1人、女性の7人に1人はおひとりさまだということです。
おひとりさまだと、当然年金も1人分しかもらえません。
ではおひとりさまの場合、老後資金はいくら必要なのでしょうか。
総務省統計局による家計調査報告2020年の結果概要によると、65歳以上単身無職世帯の年金等の収入は12万1,942円、これに対し消費支出は13万3,146円で、税金と社会保険料の支払いは1万1,541円であり、毎月2万2,745円の赤字となっています。

「毎月2万3,000円くらいならなんとかなるかも」と思われるかもしれません。
しかし、同調査の支出の内訳を見ると、実は住居費はたったの1万2,400円です。
つまり持ち家前提での話です。
同調査のとおり、持ち家ならば65歳でリタイアして95歳までの30年間の不足分は818万8,200円です。
しかし、もし賃貸派であった場合には、これに家賃との差額を加えて準備しておかなければなりません。
仮に家賃を月5万円とするならば、持ち家の住居費との差額3万7,600円が毎月の支出にプラスされることになります。
この場合、65歳から95歳までの30年間の不足分は2,172万4,200円となります。
おひとりさまでも老後2,000問題に直面です。
どうやって準備するのか
この金額を準備するためには、できるだけ早く積立投資を始めることです。
だからといって、今保有している現預金を全て投資に回してはいけません。
突然働けなくなった場合に備えて、6ヶ月から1年分の生活費である生活防衛資金を別に確保しておく必要があります。
また、60歳以降は給料が大幅に下がるため、2,000万円は60歳までに準備し、残りを少しずつ65歳までに準備することを考えます。
では具体的な例で毎月の積立投資額を考えてみましょう。
前提として、
・現在保有する運用可能資産は一括投資で年率5%で運用する
・毎月の積立額も年率5%で運用する
ものとします。
まず現在35歳の場合です
現在の運用可能資産が0円の場合、毎月3万3,585円の積み立てが必要です。
次に運用可能資産が400万円の場合、毎月1万839円の積み立てとなり、なんとかなりそうな金額です。
そして運用可能資産が600万円以上の場合、毎月の積み立てをしなくても、それを運用するだけで準備することができます。
では現在40歳の場合です
現在の運用可能資産が0円の場合、毎月4万8,658円の積み立てが必要となり、家計にかなりのインパクトがあります。
次に運用可能資産が600万円の場合、毎月9,927円の積み立てとなり、1万円以下に抑えられます。
そして運用可能資産が800万円以上の場合、毎月の積み立てをしなくても、それを運用するだけで準備することができます。

投資なんてコワイ
「投資なんて怖いから定期預金で貯めたい」と考える場合はかなりハードになります。
前提として定期預金金利を0.002%とします。
まず現在35歳の場合です
現在の預金が0円の場合、毎月6万6,650円の積み立てが必要です。
次に預金が600万円の場合、毎月4万5,631円の積み立てが必要です。
そして預金が1,000万円の場合でも、毎月3万1,618円の積み立てを続けなければいけません。
では現在40歳の場合です
現在の預金が0円の場合、毎月8万3,317円の積み立てが必要となり、高収入でなければ、かなりの節約生活を強いられます。
次に預金が600万円の場合、毎月5万7,303円の積み立てが必要です。
そして預金が1,000万円の場合でも、まだ毎月3万9,960円の積み立てが必要です
もちろん運用していない場合は、預金を生活防衛資金としても良いのですが、それを考えても毎月の積立額はかなり大きくなります。

まとめ
今回はおひとりさまの老後資金に焦点を当てました。
できるだけ早く始め、かつ投資にも挑戦することで、あまり無理をせずに準備をすることができます。
気づいた日がはじめ時です。
今日も良い一日です。ありがとうございます。
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