アクティブファンドは短命
ファンドマネジャーの手腕により市場平均以上のリターンを目指すアクティブファンドと、ベンチマークそのもののリターンの実現を目指すパッシブファンド(インデックスファンドはほぼ同義) 。
どちらのファンドが長く生き残っているのか(償還率の低さ)について、モーニングスターの記事が出ていました。
同記事によると、ここ10年以内に償還(払い戻し)されたパッシブファンドは370本中54本で、償還率は14.6%であったのに対し、償還されたアクティブファンドは1641本中703本で、償還率は42.8%にもなっています。

過去10年間でこれだけ高い償還率ですから、20年間や30年間となれば、ほとんどのアクティブファンドは償還されてしまうのではないでしょうか。
償還されたファンドをiDeCoやNISAの枠内で買い付けていれば、その利益は非課税です。
しかしそうでなければ、課税された分だけ運用資金は少なくなってしまいます。
つまりアクティブファンドに投資すれば、かなりの確率で償還・課税されることを覚悟しておかなければならないのです。
償還率の高さを考えれば、長期投資家はアクティブファンドへの投資は避けるか、あるいは投資するにしても少額にとどめておくべきだと思います。
オルタナティブ投資は壊滅的
同記事によれば「ヘッジファンド」の償還率の高さも指摘されています。
ヘッジファンド64本中54本が償還され、償還率はなんと84.4%です。
高いリターンを目指すことを標榜し、高い手数料を投資家から徴収しておきながら、8割以上が運用を中止して償還されてしまうのです。
長期投資家は、ヘッジファンドに近寄らない方が良いことがわかります。
また「コモディティ」のカテゴリーでは36本中33本が償還され、償還率は91.7%にもなります。
ほぼ壊滅状態です。
コア以外のサテライト投資で、どうしても株式や債券以外に投資したい場合には、REITや米国市場の金ETFなどを選択すべきでしょう。
アクティブファンドはパッシブファンドに負ける
ではアクティブファンドはパッシブファンドよりも高いリターンを達成しているのでしょうか。
同記事によれば17のカテゴリーのうち、「国内REIT」の半数以上のアクティブファンドが、パッシブファンドのリターンを上回りました。
しかしそれ以外のカテゴリーでは、パッシブファンドの優位性が目立ちます。
最近多くの方が投資している「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」と「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし)」では、1割未満のアクティブファンドしかパッシブファンドに勝っていません。
アクティブファンドは高い信託報酬を取りながら、安い信託報酬のパッシブファンドにほぼ負けているのです。
つまりeMAXIS Slim全世界や楽天・全世界株式ファンドに投資すれば、アクティブファンドに対して9割以上の勝率ということになります。
そうであるならば、アクティブファンドに高い信託報酬を支払って運用してもらう必要はありません。
安い信託報酬のパッシブファンドで十分、いや、むしろ堅実なリターンを望むならばパッシブファンドを選ぶべきなのです。
米国株投資はマイナーだった
また同記事は興味深い点を指摘しています。
現在最も人気が高いカテゴリーの一つである「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」は、今回の調査では集計対象になっていません。
なぜなら2010年12月末時点では、ETFを除くとパッシブファンドはたったの一本しか設定されていなかったからです。
10年前は、米国株式投資はマイナーな存在だったのです。
今では「米国株一点集中投資で十分」という流れが大きくなっています。
これが単なるブームなのか、あるいは本来投資すべき対象の認知が広まっただけなのか。
その答えは20年後、30年後になってみないと誰にも分かりません。
私としては米国株一択という考え方には完全に共感できないので、全世界株式に分散して投資することをメインとして運用を継続していきたいと考えています。
今日も良い一日です。 ありがとうございます。
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