本ブログでは、インデックス投信への積立投資をおすすめしています。
それではいつから始めれば良いのでしょうか。
積立投資を始めるタイミング
2020年はコロナの感染拡大による旅行や外出の自粛の影響により、世界の経済がガタガタになっています。
今後さらに、コロナの影響が長期化すれば、経済は悪化を続け、多くの企業の業績も悪化するものとみられています。
それでは、企業の業績の悪化を受けて、さらに株価が下落するのを待ってから投資するのが良いのでしょうか。
チャールズ・エリス氏の著作「敗者のゲーム」原著第6版(日本経済新聞社刊)に興味深い記述があります。
市場タイミングで繰り返し成功を味わった投資家もいない。欲望や恐怖心に駆られた選択は、たいてい遅すぎるか、間違っているものだ。長い目で見れば、株式市場は投資家が売った後もほぼ同じ水準で推移する。だから、時々売却する投資家の利回りは、単純に持ち続ける投資家と比べ低い。よく考えてみれば市場動向を予測し、安く買って高く売ることで、競争に勝つことが不可能なのは明らかだろう。
ベストの上昇日を逃すと
また、1980~2008年の28年間のデータに基づき、間違えて最も上昇した日の前に売ってしまったときの、株式の複利利回りに与える影響をデータで示しています。
そのデータによれば、
リターンの平均水準は11.1%→8.6%(22%の低下)になり、
ベストの上昇日をさらに10日逃すと、リターンはさらに20%低下し
ベスト30日(対象期間の0.5%)を逃すと、リターンは11.1%→5.5%に半減
という結果になり、最も上昇したベスト何日かを逃すと、リターンが大きく下がるということです。

S&P 500指数のデータを使って過去75年間という長期間分析した結果では、この間の株式リターンの大部分は上昇率のベスト60ヶ月(900ヶ月と言う長期間のわずか7%)に達成されているそうです。
S&P 500に1ドル投資したケースで試算すると
ベスト60日を逃すと、30セントの利益
10年間持ち続けた場合、1ドルは5.59ドルになる
過去72年間の時、ベスト5日を逃すと、利益は半減
過去109年間(39,812日)で、ベスト10日を逃すと、この間の利益の3分の2は失う

結論
つまり結論として、投資を始めるタイミングは思い立った日で良いのです。
インデックス投信で積み立てた場合、資産総額は
で求められます。
下落相場では基準価格が下がるため、同じ額を投資したとしても、多くの口数を買うことができます。
反対に、上昇相場では、基準価格が上がるため、少ない口数しか買うことができません。
インデックス投信で運用する資金を、ある程度の期間で積立投資すれば、相場が上昇していても、下落していても、平均的になってゆくのです。
もっとも、上昇相場が続くのならば、最初に一括して投資した方が、高いリターンを得ることができます。
しかし、先にお話ししたように、相場が上昇するか下落しているかを当て続けるのは非常に困難です。
また、この一括投資法は、心理的に大きなプレッシャーを生むことがあります。
それは、上昇相場だと思っていたら、途中から下落相場になり、それに伴ってインデックス投信の基準価格が下がり続け、含み損失が大きくなってしまう場合です。
特に、投資に慣れてない人ほど、含み損失が膨らみ続けているのを見ていることがとても辛くなります。
そして、これ以上の含み損失に耐えられないと思ったときに、積み立てたインデックス投信を売ってしまうことになってしまいます。
ところが、後でチャートを見てみると、実はその売った時点が、一番大底だったと言うこともあり得ます。
もちろん、ある程度の期間をかけて積立投資をしても、含み損失が大きくなっていくことがあります。
しかし、積立投資をしている限りは、基準価格が下がって多くの口数が買えているのだということを思い出して、なんとか下落相場の期間を堪えて過ごしてください。
私の場合は、運用予定資産を60ヵ月に等分し、インデックス投信に投資しています。
ですから、積み立て期間中は、むしろ下落相場の方が多くの口数を買えるためにワクワクしてくるのです。
これから投資を始める方も、長期投資の視点に立って、短期的な値動き心を惑わされず、どっしりと構えて計画通りに積み立て投資を行いましょう。
ただし、くれぐれも自分のリスク許容度を超えないでくださいね。
・ベストの上昇日を逃すと、リターンは大幅に低下する。
・上昇相場では購入口数は少なく、下落相場では多くなる。
・自分のリスク許容度を考え、長期視点で投資する。
今日も良い一日です。ありがとうございます。
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