売ってしまおうか?
株式相場が好調なので、2018年からつみたてNISAを始めた方は、思った以上に利益が乗っているのではないでしょうか。
2018年から2020年の3年間に積み立てた元本120万円に30%の含み益が乗っていれば、つみたてNISAの口座残高は156万円になっています。
つまり36万円の含み益が出ているのです。
ここで投資経験の短い方の中には、次のように考える方がいるかもしれません。
「給料よりも多い利益が乗っているし、株価も高すぎると言われているから、今のうちに売ってしまおう」
これが利益確定の誘惑です。
つみたてNISA の非課税枠の中なので、この36万円の利益に税金はかからず、まるまる手元に残ります。

最近の世界の株式相場は過熱気味でバブルなのかもしれません。
しかしちょっと待ってください。
3年前につみたてNISAを始めたときは、長期積み立て投資をするつもりだったのではないでしょうか。
利益が乗ったらすぐに売るつもりではなかったのではないでしょうか。
利益が乗ったら売却して利益確定するのは、短期売買の考え方なのです。
つみたてNISAをしている方が今売却すると、投資方針がブレることになるのです。
現金化した156万円はどうするのでしょうか?
暴落したらその時に投資しますか?
しかしそれは、「株式相場のタイミングにかかわらず市場の成長に投資する」というインデックスファンドの投資方法ではありません。
株式相場の上下に合わせて売買するのであれば、個別株に投資した方がよっぽど良いリターンを出すことができます。
つみたてNISAの無駄遣い
積み立てて数年で売却することは、つみたてNISAという税金面でお得な制度のもったいない使い方でもあります
仮に2018年の積立元本40万円に18万円の含み益、2019年の積立元本に12万円の含み益、2020年の積立元本40万円に6万円の含み益があるとします。
そして2018年の非課税期間が17年残っていて、その間の平均リターンが5%とすると、17年後には元本は133万円になっています。
同様に2019年分は18年後には約125万円、2020年分は19年後には約116万円になっています。
過去3年分のつみたてNISA枠で約259万円の利益が出ることになり、非課税なのでそのまま手元に残すことができます。

一方、もしこの利益が課税される口座で運用していた元本から出たものならば、利益の20.315%である約52万円を差しひかれた約207万円しか手元に残りません。
つまり、1年の積立元本の約1.3倍が税金として持っていかれることになります。
もったいなくはないですか?
つみたてNISAで積み立てた投資元本を一度売却してしまうと、再び非課税口座に戻すことはできません。
まとめ
たしかに一度利益が乗っているのを見た後、相場が暴落してその利益が吹き飛ぶのを見るのはとても辛いものです。
もちろん、最近の株高のため資産配分が崩れている場合は、リバランスが必要です。
しかし長期積み立て投資というものは、株式相場が長期的には右肩上がりであると信じて行うものです。
積み立て途中の株価下落は、結果として購入口数が増えるので怖くはありません。
大きな利益を取るには、目先の小さな利益に惑わされてはいけません。
短期間の含み益や含み損に一喜一憂せず、淡々と積み立てていくことが肝心なのです。
何のために自分は長期積み立て投資をしているのか、利益を確定したくなったら、もう一度自分に問いかけてみてください。
今日も良い一日です。ありがとうございます。
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