年齢別シミュレーション
長期積み立て投資は、複利の力を利かせて資産を大きく成長させる投資法です。
複利の力を利かせるには、できるだけ早くはじめることが重要になってきます。
今回は積み立て投資をはじめた年齢別に、老後の資産がどうなるかシミュレーションをしてみました。
なお、シミュレーションに使用する平均賃金は、厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計(令和2年度)」の大卒者のデータを使用しています。
(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html)
25歳ではじめたAさん
25~29歳の平均賃金は25万9,400円です。
この場合、手取り収入は20.7万円ほどです。
この10%である2.1万円を、65歳までの40年間毎月積み立てて、5%のリターンで運用すると65歳時点で資産は3,126万円になります。
Aさんが65歳になった以降、年率4%で資産を取り崩すと月額10.4万円です。
これに公的年金を加えれば、普通に暮らしていくことはできますね 。

35歳ではじめたBさん
35~39歳の平均賃金は36万7,600円です
この場合、手取り収入は30.6万円ほどです。
この10%である3.1万円を、65歳までの30年間毎月積み立てて、5%のリターンで運用すると65歳時点での資産は2,538万円になります。
10年早くはじめたAさんの資産と比べると、588万円の差がついてしまいます。

45歳ではじめたCさん
45~49歳の平均賃金は49万7,400円です。
この場合、手取り収入は40.9万円ほどです。
この10%である4.1万円を、65歳までの20年間毎月積み立てて、5%のリターンで運用すると65歳時点での資産は1,671万円になります。
20年前にはじめたAさんの資産と比べると、1,455万円もの差が出てしまいました

55歳ではじめたDさん
55~59歳の平均賃金は55万3,800円です。
この場合、手取り収入は45.3万円ほどです。
この10%である4.6万円を、65歳までの10年間毎月積み立てて、5%のリターンで運用すると65歳時点での資産は713万円になります。
30年前にはじめたAさんの資産と比べると、2,413万円も少ない資産です。
713万円を年率4%で取り崩すと、月額2.4万円ほどです。
これでは公的年金があっても、心もとない老後になってしまいます。

貯蓄率アップで回復
はじめた年齢が遅かったB、C、Dさんが、Aさんに追いつくにはどうすれば良いのでしょうか。
その答えは貯蓄率を引き上げることです。
35歳ではじめたBさんは、毎月の積立額を3.9万円にすれば、30年後には3,193万円になっています。
この場合の貯蓄率は12.7%です。

45歳ではじめたCさんは毎月の積み立て額を7.7万円にすれば、20年後には3,137万円になっています。
この場合の貯蓄率は18.8%です。
まだ何とかなりそうな貯蓄率です。

55歳ではじめたDさんは毎月の積み立て額を20.2万円にすれば、10年後には3,131万円になっています。
この場合の貯蓄率は何と44.6%にもなります。
ちょっと普通の人では困難な数字です。

貯蓄優等生Zさんの場合
これまでは計算を簡単にするために、積み立て投資を始めた時から毎月の積立額を固定してシュミレーションしてきました。
では蓄財優等生の Zさんが、10年ごとに貯蓄率を引き上げた場合を考えてみます。
25歳で始めた時はAさんと同じく、手取り収入の10%である2.1万円を毎月積み立てます。
35歳の時には、貯蓄率を手取りの15%に引き上げて、毎月の積み立て額を4.6万円にします。
生活費は残りの26万円でやりくりします。
そして45歳の時には、貯蓄率を手取りの20%に引き上げて、毎月の積み立て額を8.2万円にします。
生活費は残りの32.7万円になります。
その後は貯蓄率を引き上げずに、毎月8.2万円の積み立てを65歳まで継続すると、65歳時点の資産は6,756万円にもなっています。
Zさんの場合、たとえ60歳で追加の積み立てをやめても、それまで積み立てた資産を年率5%で運用を続ければ、65歳時点で6,198万円の資産があります。
65歳から年率4%で取り崩すと、月額は20.7万円となり、公的年金を加えれば余裕の老後を迎えることができます。
まとめ
このように、積立投資を早くはじめるほど資産形成が楽になります。
また貯蓄率を上げていくと、軽く準富裕層(5,000万円以上の金融資産を持つ世帯)に届いてしまいます。
積み立て投資のパワー恐るべしですね。
今日も良い一日です。ありがとうございます。
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