通勤災害とは
通勤途中で転倒したり、階段から落ちたり、頭を打ったりしてケガをした場合、通勤災害として労災保険が治療費を負担してくれます。
労災保険は事業主が加入する公的な保険で従業員が保険料を負担しません。
基本的には自宅と会社(働く場所)とを往復している間に発生した場合に適用されます。
それ以外でも、例えば福岡に単身赴任していて、家族のいる帰省先の東京の自宅から福岡の会社に通勤していた時のケガでも適用されます。
自分の勤務先へ向かう時だけでなく、会議や研修の場所へ行く途中でも適用されます。
通勤した時間帯も定時には限りません。
早出、遅刻、早退の時も対象になります。
ちなみに出張の時は、家を出たところからが業務とされるのでバッチリ労災扱いになります。
通勤の経路
「会社に申請した経路でなくてはならない」と思っている方がいますが誤解です。
会社に申請した経路でなくても大丈夫です。
説明できないほどの遠回りをしていた場合は認められない場合があります。
また途中で寄り道した場合、「逸脱・中断」とみなされてしまうことがあります。
例えば飲みに行ったり、カラオケに行ったり、習い事に行った場合などは通勤経路からの「逸脱」とされて、通勤災害の対象ではなくなってしまいます。
例外として、日用品の購入のために通勤経路の近くの店で買い物した場合や、近くの病院に行った場合などは 「中断」となり、もとの通勤経路に戻ったところから再び通勤災害の対象となります。
通勤の方法
会社に申請している方法でなくても大丈夫です。
普通に交通機関、自転車や徒歩で通勤していれば問題ありません。
私の知人で、通勤途中に駅で転倒してケガをしてしまったのですが、会社に申請した経路と違っていたため会社に報告しなかったという方がいました。
この場合も対象となるので安心してください。
しかし、無免許運転やベランダづたいに移動していたなどダメです。
病院での治療などが原則
通勤災害の場合、原則的には病院での治療や投薬がタダになります。
最初に窓口で、「労災でお願いします」と言っておけば治療費を請求されません。
ただし例外として、労災指定病院でない病院で治療を受けた場合、医療費を払い戻してもらう方法もあります。
通勤災害である場合には、後日会社の総務や人事の担当者から労災の申請書をもらって記入し、治療を受けた病院に提出することになります。
(厚生労働省 労災保険給付関係請求書
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken06/dl/yoshiki16-3.pdf )
時々、会社の担当者によっては「労災じゃない」と言われることがあります。
しかしそもそも、労災かどうかを認定するのは所轄労働基準監督署長なので、会社の担当者の話を鵜呑みにしないようにしてください。
また、通勤災害があったことを会社が労働基準監督署に報告しないことは、労災隠しとなり会社が処罰される可能性があります。
「労災の申請は面倒くさい」といって通勤災害扱いにしないと、後で後悔するかもしれません。
後日会社を休まなくてはならなくなった時や、思ってもいない後遺症が出た場合にとても困ります。
労災保険には会社を休んだ時の補償や、後遺症が残った場合の補償もありますので忘れずに申請してください。
ケガをせず安全に通勤するのが一番ですが、万が一、通勤途中でケガをしてしまった場合などはためらわずに 通勤災害扱いにしましょう。
(労災保険パンフレット
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousaikakushi/dl/leaf-01.pdf )
・会社に申請している通勤方法や通勤経路でなくても対象となる。
・通勤途中でケガをしてしまった場合などはためらわずに通勤災害扱いに。
今日も良い一日です。 ありがとうございます。
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